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世 界 党 宣 言



現行の宣言と以前の宣言



世 界 党 宣 言 - 2 0 1 9

ネパールにおける2019年の第三回世界党大会において採択

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2020年1月7更新





世 界 党 宣 言

鈴木俊雄

世界党

2015年10月のバングラデシュでの

第二回世界党大会で採択

 

 

 

 



 

 

前 文

 

 

 これは、2015年にバングラデシュで開催された第二回世界党大会で採択された宣言である。世界党は、世界連邦の樹立を目指す国際政党である。ここにおいて、世界連邦とは世界的な規模の独立国の連邦であり、世界連邦の中には、世界議会、世界政府、および世界法廷がある。世界議会は、各国からの代表からなる議会であり、世界政府は、連邦の中央政府であり、世界法廷は、原則として、国際問題を扱う裁判所である。世界連邦において、世界議会は最高権威である。

 我々は世界市民である。我々人民は世界平和と人々の幸福を心から願う。我々の義務は世界民主主義を樹立することだと信じる。世界党には、以下のような三原則がある。

 

 1 最優先事項は、世界全体のあるいは社会全体の利益であり、党の利益は、その後に来る。世界がよくなれば、我々の国が良くなる。我々の国がよくなれば、我々の生活が良くなる。

 2 世界党の政策に関しては、虚偽があってはならない。

 3 世界党には腐敗があってはならない。我々は、資金に関しては厳格でなければならない。

 

 世界連邦の基本的な思想は、本当に良い事は常識になるという哲学に基づいている。我々は、千年後も存在する思想と世界システムを構築することを目指している。ある思想が千年後も存続すれば、その思想は世界の常識になっているであろう。我々は、世界党は千年後も存続すると考える。それが実現すれば、千年後には、世界連邦は世界の常識になっているであろう。

 以下、世界党の基本的な思想が示され、宣言とビジョンが国際的な観点と各国の国内的な観点から述べられる。ここに示される宣言は世界党大会で承認されたものであり、世界党と世界党の各支部の権威の土台である。

 

 


 

 

I 世界党の基本思想

 

 

 世界党の基本思想は、論文

「世界政府のための国際政党」

http://www.w-g.jp/wgi/library/articles-&-mails/party-j.htm

に書かれている。本論文の主張は、人々の支持が世界連邦を樹立し維持するというものである。世界連邦が樹立され維持されるとすれば、軍事力によるのでも経済力によるのでもない。それは、精神的な力すなわち人々の支持による。人々は、真に良いものを支持する。この人々の支持が、真に良いものを常識にする。それ故、我々が世界連邦を樹立しようとすれば、それは常識になるであろう。

 

 1. 世界連邦の基本的利益

 

世界連邦の基本的な利益は以下のとおりである。

 

 1 世界連邦は、戦争を減らすか防ぐことができる。これは、戦争による人々の死亡および負傷の減少、戦争による破壊の減少、そして軍事費の削減を可能にする。

 2 世界連邦は、国際共通通貨を発行できる。これは、為替レートの変動をなくすことを可能にする。

 3 世界連邦は、すべての人々に雇用を提供できる。これは、貧困の撲滅を可能にする。

 

上の項目のうち第一項目と第二項目は常識として容易に理解できるので特に説明の必要はないが、第三項目は、第II章 国 策、第五節 貧困の撲滅

で説明される。

 

 2. 世界党の組織

 

 世界党の組織は、

「世界党規約」 http://www.w-g.jp/wp/statute-wp-j.htm

に規定されている。

 世界党は各国の支部から成り、各国は一つの支部を持つ。世界党大会は、世界党の最高機関であり、4年に1度開催される。大会の議席は、基本的に、1,000で、各国の人口に応じて配分される。各国は、代表を登録党員として登録でき、登録党員数は、議席数の3倍とする。たとえば、議席数が10なら、その国は30名を登録党員として登録でき、この30名の登録党員の中から10人を公式代表として送ることができる。大会における各国の最大議決権数は、各国からの出席代表者数に基づいて計算される。世界党大会において、議決権は他の党員に委任することはできず、各国の最大の議決権数は基本的に理論的最大議決権数に基づく。理論的最大議決権数は、出席代表数を出席国数で割って得られる。最大議決権数の計算において、1未満の議決権は計算されない。計算は、すべての出席代表が大会に登録された後になされる。各国の最大議決権数は、以下の二つの条件によって決定される。

 

 1 各国の議決権数が理論的最大議決権数以下であること。

 2 上の条件に合致する国で、国の議決権数が最も理論的最大議決権数に近いこと。

 

以上の条件に合致する国の議決権数を各国の最大議決権数とする。換言すると、各国の最大議決権数は、国の議決権が理論的最大議決権数以下で、かつ議決権数が理論的最大議決権数以下の国の中で、理論的最大議決権数にもっとも近い国の議決権数とする。例を以下に示す。国A10代表、国B20代表、国C30代表、国D40代表を送るので、総代表数は100で、参加国は4とする。この場合、100 / 4 = 25なので、理論的最大議決権数は25である。国B20代表が理論的最大議決権数より少なく、理論的最大議決権数より少ない国の中で最も理論的最大議決権数に近い。それ故、最大議決権数は、20で、国CDからは20人のみが代表として受け付けられる。他のいくつかの数値例は、世界党規約に記されている。

 世界党は、党員を持たず、各国にひとつの支部を持つ。世界党は、各国の支部の国際事務局であり、各国の支部が党員を持っている。

 

 3. 世界党の運営

 

 我々が樹立しようとしている世界連邦は社会の限られた一面のみに関わる。つまり、原則として、軍事力の管理、通貨の発行、および個々の国では解決できない他の政治経済的な問題のみを扱う。宗教、自由主義あるいは共産主義のような政治経済的な体制、工業、農業、商業、科学、芸術、スポーツ、伝統等のような社会の他の側面は個々の国の自由とする。世界党では、政治と宗教は分離されており、宗教は個人的な事柄として考えられているので、どのような宗教も許される。

 各支部の基本政策は、世界党の基本政策と同じでなければならない。ここで、基本政策とは、世界連邦を樹立することである。しかし、各支部はそれ自身の政策を持つことができ、各支部は自由主義も共産主義も宣言できる。つまり、ある国の支部は自由主義を宣言でき、別の国の支部は共産主義を宣言できる。政治と宗教は、支部においても分離されている。

 現在、世界連邦は存在しない。それゆえ、世界党は欧州議会のような立法権のない世界議会の設立を目指している。

 さらに、不適格な党員を除名するシステムがある。不適格な登録党員は、他の党員によって、除名される。登録党員に問題があれば、他の登録党員は、その登録党員の党員権に異議を申し立てることができる。登録党員が他の登録党員に異議を申し立てるときは、異議を申し立てる党員は氏名および理由を明確に記した異議申し立ての文書を世界党党首に提出しなければならない。その文書は、理事会で検討され、世界党のウエブサイトおよび他の出版物に発表される。異議申し立てがすべての登録党員の議決権数の5%に達すると、理事会は党首の名で通知を各登録党員に送る。次の段階では、世界党大会において、異議を申し立てられた登録党員を除名する動議が提出される。出席代表の全議決権数の半分を上回る議決権を持っている出席代表が 除名に反対すれば、異議を申し立てられた登録党員は除名されない。さもなければ、異議を申し立てられた登録党員は、文書による反対が登録党員の総議決権数の5%であっても、除名される。

 文書による異議がなくとも、世界党大会が、出席代表の総議決権数の過半数をもって、登録党員が除名されるべきであると議決した時は、除名される。

 登録党員が除名された後は、各支部からの登録党員の議席数は、除名された登録党員の数に応じて、除名の日から4年間、削減される。たとえば、もし、2名の登録党員が除名されれば、その支部からの登録党員の議席数は除名の日から4年間、2議席、削減される。除名された党員は、除名から4年後にふたたび登録できる。

 世界党理事、すなわち党首、副党首、書記長、書記、広報官、会計、および党首によって任命された理事は、上の手続きにより除名することはできない。理事は、弾劾により除名される。

 

 


 

 

II 国

 

 

 1. 国連の尊重

 

 20019月のアメリカでのテロリスト攻撃の後のアメリカによるアフガニスタンの爆撃と2003年のイラク侵略は、国連の承認なしに行われた。2006年、元イラク大統領サダム・フセインが処刑され、201112月、米軍はイラクからの撤収を完了した。2014年、イスラム国の建国が宣言されたが、サダム・フセインが今でもイラクの大統領なら、イスラム国は出現しなかったという事を我々は理解しなければならない。

 これらの事から、世界最強の国アメリカは国連を尊重していないと言える。大いなる力には、大いなる責任がともなう。もし最も強力な国が国連を尊重すれば、ほかの国はそれを無視できない。国連の尊重こそ、世界民主主義への第一歩だと言える。

 

 2. 世界議会規約および世界連邦憲法

 

 世界政府研究所は、

 

世界議会規約 http://www.w-g.jp/wgi/statute-j.htm

 

および

 

世界連邦憲法 http://www.w-g.jp/wgi/constitution-j.htm

 

を準備中である。これらの規約と憲法はまだ完成していないが、基本的な思想は示されている。世界党は、これらの規約と憲法を支持する。規約と憲法において、世界連邦についての基本的な思想は、以下のとおりである。

 下の図は、世界連邦の樹立の過程を示している。各国は代表を世界議会へ送り、代表の議席は人口に応じて配分され、議席の総数は基本的には1,000である。世界党は各国に支部を持っており、その各国の支部が世界議会への代表を選出する政策を促進する。初期段階の世界議会は、立法権のない諮問会議であるが、議会が良好に機能すれば立法権を得て世界連邦憲法を制定する。世界連邦は、この憲法に従い樹立される。世界連邦内には、世界議会、世界政府、世界法廷がある。世界連邦が樹立される前は、世界議会は世界議会規約に沿って運営され、世界連邦が樹立された後は、世界議会規約は廃棄され、世界議会は世界連邦憲法に沿って運営される。

 

 A. 議席

 

 各国の議席は人口に応じて配分され、計算の方法は下の表に示される。世界の人口は682,9297,000人で、そのうち中国は134,5751,000人、インドは119,8003,300人、アメリカは31,4658,800人、日本は12,7156,200人、仮想国は1,000人と仮定される。代表の総数は基本的には1,000人で、議席は人口に応じて配分される。したがって、中国の場合、議決権は197.0556票となる。同様に、インドは 175.4212票を持ち、アメリカ 46.0748票、日本 18.6192票および仮想国 0.0001票を持つ。これは、小数第1位を切り上げあるいは切り下げて整数に調整する。小数第1位がゼロでなければ切り上げられ、ゼロならば切り下げられる。1票未満の票を持つ国の場合は、ゼロでなくもっとも小数点に近い桁が切り上げられる。中国の場合は、小数第1位はゼロなので切り下げられ調整済み議決権は197.000になり、公式の代表は197となる。インドの場合は、少数第1位はゼロではないので切り上げられ、調整済み議決権は176.000になり、公式の代表は176人になる。アメリカと日本の場合は、調整済み議決権は同様に計算され、公式の代表はそれぞれ46人と19人となる。仮想国の場合は、人口は1,000人なので、議決権は0.0001で、小数第4位がゼロでないので0.001に切り上げられる。したがって、この国は0.001の議決権を持った代表を1人送ることができる。この措置により、すべての議決権は10.10.010.001に分類できる。従って、議決権の総数は基本的には1,000であるが、実際の代表と議決権の総数は、それぞれ1,000を若干上回ることになる。さらに、以下に示すように、世界議会への参加については、いくつかの条件がある。

 

世界連邦樹立の過程

 

 

 

議席の配分

 

 

人口

千人

議決権

調整済み

議決権

代表

登録議員

世界人口

6,829,297.0

1,000.000

 

 

 

中国

1,345,751.0

197.0556

197.000

197

591

インド

1,198,003.3

175.4212

176.000

176

528

アメリカ合衆国

314,658.8

46.0748

46.000

46

138

日本

127,156.2

18.6192

19.000

19

57

仮想国

1.0

0.0001

0.001

1

3

 

 B. 登録

 

 各国の選挙の当選者は、少なくとも1年以上前に世界議会に登録されなければならない。登録された当選者(以下、登録議員)は、登録の1年後に公式の代表として議会に出席できる。ただし、前期に登録された登録議員は、登録後ただちに公式代表になれる。

 各国は、議会における議席数の3倍の登録議員を登録することができる。たとえば、議会におけるある国の議席が10人なら、その国は30人の登録議員を持つことができる。この30人の登録議員の中から、10人を公式の代表として送ることができる。

 

 C. 最大議決権数

 

 世界議会において、議決権は他の代表に委任することはできず、各国の最大の議決権数は基本的に理論的最大議決権数に基づく。理論的最大議決権数は、出席代表数を出席国数で割って得られる。最大議決権数の計算において、1未満の議決権は計算されない。計算は、すべての出席代表が大会に登録された後になされる。各国の最大議決権数は、以下の二つの条件によって決定される。

 

 i 各国の議決権数が理論的最大議決権数以下であること。

 ii 上の条件に合致する国で、国の議決権数が最も理論的最大議決権数に近いこと。

 

 以上の条件に合致する国の議決権数を各国の最大議決権数とする。換言すると、各国の最大議決権数は、国の議決権が理論的最大議決権数以下で、かつ議決権数が理論的最大議決権数以下の国の中で、理論的最大議決権数にもっとも近い国の議決権数とする。例は、以下のとおりである。国A10代表、国B20代表、国C30代表、国D40代表を送.る。それ故、総代表数は100で、参加国は4となる。この場合、100 / 4 = 25なので、理論的最大議決権数は25となる。国B20代表が理論的最大議決権数より少なく、理論的最大議決権数より少ない国の中で最も理論的最大議決権数に近い。それ故、最大議決権数は20で、国CDからは代表20人のみが代表として受け付けられる。

 計算の詳細は、世界議会規約または世界連邦憲法を参照のこと。

 

 D. 不的確な議員の除名

 

 もし登録議員に問題があれば、ほかの登録議員は、その登録議員に対して異議を申し立てることができる。たとえば、もし登録議員が直接人々により選挙されていなければ、ほかの登録議員はその議員の議席に対して異議を申し立てることができる。登録議員が他の登録議員に対して異議を申し立てるときは、反対する登録議員は自己の名前と明確に示された理由を記した文書を世界議会の議長に送らなければならない。各国からの異議は、インターネットや他の出版物を通して発表され、もし、異議申し立てが登録議員の総議決権数の5%に達したら、議長はその文書を各登録議員に送り、世界議会の会議では、異議を申し立てられた登録議員を除名する動議が提出される。世界議会の会議で、出席代表の総議決権数の過半数の議決権を持つ出席代表が除名に反対すれば、その異議を申し立てられた登録議員は除名されない。さもなければ、たとえ文書による反対が登録議員の総議決権数の5%でも、その異議を申し立てられた登録議員は除名される。

 各国または地域からの登録議員は、人々に直接選ばれた人達でなければならない。従って、独裁制の国が選挙を行わずに議員を登録しても、世界議会規約または世界連邦憲法で規定された手続きによって、彼らは他の登録議員に異議を申し立てられ除名されるであろう。

 

 3. 世界連邦における最高権威

 

 このように、不適格な登録議員は、他の登録議員により除名される。このシステムにより、たとえ3,000人の議員が登録されたとしても、異議申し立てにより10人になってしまうかも知れない。さらに、世界議会の議員の任期が4年なのに、除名の手続きを完了するのに3年もかかってしまうかも知れない。しかし、この残った10人の議員が絶大な権威となり、その10人が残りの1年の任期でした議決は人々の最高の支持を得るであろう。

 世界連邦憲法においては、世界連邦は、立法、行政、司法の三権分立のもとにはなく、図に示されているように、世界議会は世界政府の首相と世界法廷の裁判官を任免する。このように、世界議会は、世界連邦の最高権威である。

 

 4. 世界議会が必要な理由

 

 なぜ世界議会を設立しなければならないかという、確固たる理由がある。世界議会は対話の場である。飛行機、エンジン、電気、コンピュータのような科学技術の発展は文明に貢献してきたが、ある意味では人々による対話は科学技術よりもはるかに重要である。農業のなかった原始時代では、人々は非常に貧しかったと思われるが、なんとか生きられた。農業のあった封建時代では、ほとんどの人は貧しかったが社会全体では余剰があった。つまり、原始時代には社会が貧しすぎたのでプロの兵士や地主はいなかったが、農業のあった封建時代には余剰があったのでプロの兵士や地主がいた。プロの兵士や地主は、生活必需品を生産しないので、プロの兵士や地主がいる時は、社会全体に余剰がなければならない。たとえば江戸時代(1603-1867)の日本では、侍や地主がいた。侍は、封建時代の日本のプロの兵士である。このように、人々が牛や馬で土地を耕したり荷物を運んだりしている社会でさえ、社会全体では余剰がある。これは、すべての人々が善良な人ばかりで、すべての問題を対話で解決すれば、牛や馬で土地を耕し荷物を運んでいる社会でさえ、戦争もなければ貧困もないということを意味する。しかし、現代では科学技術は封建時代のそれより較べものにならないほど高いのに、戦争は根絶されていない。したがって、科学技術は人間の幸福にとって重要だが、すべての人々による対話ははるかに重要だと言うことができる。したがって、世界をより良くしたければ、問題を対話で解決しようとしなければならない。これが、世界議会が必要な理由である。実際のところ、科学技術の発展は所得をあげてきた。しかし、世界議会のような話し合いの場がなければ、科学技術の発展は世界の平和にとって役に立たないと言える。

 

 5. 貧困の撲滅

 

 また、貧困の撲滅も考察されなければならない。現代の世界には、極貧の人々がいる。基本的に、それらの人々は仕事がない故に貧しい。人々は、原始時代でも生きられた。現代では、科学技術は原始時代とはくらべものにならないが、依然として貧しい人がいる。貧しい人は、重労働をしているのに貧しいと言う状態ではない。基本的に、貧しい人は仕事を得られないので貧しい状態にある。したがって、雇用が提供されなければならない。世界連邦に基づいた世界システムは、この状況を改善できる。

 それ故、貧困を撲滅するためには、仕事を提供しなければならない。失業している人々に仕事を提供するためには、事務所あるいは工場あるいは学校などを、たとえそれらが赤字でも、建設しなければならない。もし、それぞれの国がこの政策をとれば、その国は国際競争力を失わなければならない。例えば、ある国が人々を雇うために、たとえ赤字でも自動車工場を建設すれば、その国は国際競争力を失わなければならない。しかし、すべての国が世界連邦に所属していれば、それぞれの国は人々を雇うためにこの政策をとれる。雇用を提供するために赤字の工場を建設する政策は、馬鹿げていると思われるかもしれない。しかし、少なくとも、この政策は試されるべきである。

 

 6. マハトマ・ガンジー・イニシャチブ

 

 世界党は、非暴力と非服従を勧告する。マハトマ・ガンジーは、この方法でインドを独立に導いた。1947年の独立以来、インドは独立国である。ここで、何故、インドは攻撃されて占領されないのに、アフガニスタンとイラクは攻撃され占領されたかを考えるべきである。言うまでもなく、インドは核兵器を持っており、これがインドの独立の理由のひとつである。しかし、インドは核兵器なしに、非暴力と不服従の政策で独立を勝ち得たのだから、非暴力と不服従がインドの永久的な独立の理由であると考えることができる。この非暴力と非服従の政策はマハトマ・ガンジー・イニシャチブと名づけられ、世界党の基本的政策のひとつである。

 

 7. 教育の改善

 

 教育は、常に見直され改善されなければならない。それぞれの国の教育には多くの問題があるが、教育には一つの重要な面がある。問題は、男女関係と家族関係についての教育の内容である。ほとんどの国においては教育が奨励されているが、いくつかの国においては女性に対して教育が禁止されている。201210月のパキスタンで、マララ・ユサフザイ氏(Ms. Malala Yousafzai)がイスラムグループのガンマンに打たれた。彼女は、奇跡的に負傷から回復した。彼女は、女性の教育を受ける権利を主張している若い女性で、2014年、ノーベル平和賞を受賞した。20144月のナイジェリアで、イスラムグループによって約230人の女子生徒が教室から誘拐された。イスラムグループは、時には、庶民の家からテレビやコンピュータを取り上げて破壊してしまう。アメリカ、ヨーロッパ諸国、日本等のような国では、一般的に、教育に対するこのような反対は理解されていない。

 ここで、2つのタイプの国を区別できる。一つはアメリカ、ヨーロッパ諸国、日本等のような国で、もう一つはインドとイスラム諸国である。インド人のほとんどは、ヒンズー教徒であるが、男女関係は、インドとイスラム教国で類似している。前者の国々では、結婚しないで男女が恋愛することは自由である。後者の国々では、そのような恋愛は厳しく禁じられている。パキスタンでは、イスラム教で禁止されている男女関係のために、年間数百人が殺されていると言われている。前者の国々の人々は、何故、後者の国々では恋愛が禁止されているかを理解していない。彼らは、恋愛を禁止することは、非民主的あるいは封建的だと考えている。前者の国々では、男性と女性は気安く付き合い別れる。この時、セックスは自由である。その結果、社会全体の雰囲気はさびしいとかつまらなくなってしまい、離婚率は高い。例えば、最近の日本では、3組に1組の夫婦が離婚する。この点では、後者の国々は素晴らしい。ほとんどの男性と女性は、結婚前に性的な経験を持たない。社会全体の雰囲気はさびしいとかつまらないということはなく、ほとんどの人々は幸せだと感じている。

 これらの事を理解するなら、何故、前者の国々の教育が後者の国々では受け入れられないかを理解できる。理由は、簡単である。後者の国々の人々は、前者の国々の教育に基づいた教育は後者の国々の伝統的で健全な男女関係をこわしてしまうと考えている。

 名誉殺人もこの男女関係に関する考えで説明できる。女性と男性が結婚せずに情事を持った場合、殺されることがある。これは、ヨーロッパやアメリカや日本の人々には理解されないが、理由は単純である。彼らは、伝統的で健全な男女関係を守りたいのである。以前は、名誉殺人はなかったと言われている。少なくとも、以前は少なかったと思われる。その理由は、容易に想像できる。テレビや映画が普及する前は、男女関係は世界中で伝統にしたがい健全であった。しかし、テレビと映画の普及した後は、一部の人たちは、ヨーロッパ諸国、アメリカ、日本などにおいて、結婚をしないでセックスを楽しみ始めた。一方、インドやイスラム諸国では、人々はこの文化を受け入れない。それ故、名誉殺人が発生あるいは増加した。

 科学の発達は非常に重要である。しかし、科学がどんなに発達しても、我々は年をとり死ななければならず、この世の中には男と女がいる。それ故、幸福になり人生を楽しみたければ、健全な男女関係を築き幸福な家庭を築かなければならない。高水準の科学と所得を持った工業国では、貧しい国にはない素晴らしいことがたくさんあるが、社会全体の雰囲気はどこかさびしく空しいものがある。これは、工業国では、男女関係が自由すぎるからだと思われる。まず、健全な男女関係と幸福な家庭を築くべきであり、その後に、科学の発展や金銭を手に入れることを考えるべきである。

 これが、何故、イスラムグループが前者の国々の教育を受け入れないかの理由である。もし、これが正しければ、この問題を解決する効果的な政策を考案できる。つまり、後者の国々の伝統的で健全な女性と男性の関係を壊さない新しい教育システムまたはカリキュラムを作成しなければならない。これが達成されれば、多くのイスラム教徒が学校に反対しないであろう。この点については、インドは成功している。インドでは、毎年、男女関係のために何人かの人が殺される。しかし、学校は反対されない。これは、インドの学校の教育では、健全な男女関係が壊されないからである。インドでは、賄賂を受け取る人がたくさんいるが賄賂を受け取って殺される人はいないが、ヒンドゥー教で禁止されている男女関係を持って殺される人はいる。これは、彼らが金銭よりも健全な男女関係を大切にしていることを示している。たてえどんなに科学が発展しても、我々は、年をとって死に、この世には女と男が存在する。私たちは科学を発展させ、お金を稼ぐこと考える前に、健全な男女関係を築き、幸せな家庭を持つことを考えなければならない。

 

 


 

 

III 国内政策

 

 

 世界党は、各国について、以下の政策を促進し勧告する。

 

 1. 中国

 

 現在の中国は社会の多くの面で成長しており、特に経済は堅実に成長している。中国において最も深刻な状況は、政治の状況であると思われる。しばしば暴動が起こると報告されている。中国における政治は、共産党に支配されている。将来は、中国における民主主義を促進するために、複数政党が許されるべきである。世界党中国は、中国にとって非常に有利である。なぜならば、世界党大会の議席は、基本的に、一カ国は出席している代表の総議決権数から計算される最大議決権数までしか持てないのであるが、人口に応じて配分されるからである。国際的に協力する政党は、世界中の人々が集まり党を形成するので、民主主義が困難である国で民主主義を促進することができる。世界党は、中国は複数政党制を認めるべきだと、中国の人々に勧告する。

 

 2. 日本

 

 A. 日本の伝統の政治と未来の政治

 

 世界には多くの問題がある一方、日本国内にも多くの問題がある。今日、いくつかの日本の現代社会の深刻な問題がますます悪化している。日本は工業国であるが、政治は完全に民主的ではない。日本の政治に関しては、日本の伝統的な政治の良い面と悪い面を理解し、未来のあるべき政治を考えなければならない。

 

 B. 伝統の政治

 

 日本の伝統の政治とは、一口に言えば「武士の政治」だと言える。有名な「武士道とは死ぬことと見つけたり。」という言葉があるように、必要な時には、武士は命をかけて闘う精神力を持って人々の上に君臨した。武士が責任をとるときする切腹は、世界で有名である。一方では、武士は百姓から年貢を取り立てて生計を立てた。その武士によって統治された社会の財政には一つの深刻な問題があった。日本の経済は、鎌倉時代(1192-1333)以来、何回も破産している。鎌倉時代、鎌倉幕府は、1297年に徳政令を出した。つまり、幕府はデフォルト(債務不履行)に陥った。そして、幕府は、36年後の1333年に滅亡した。室町時代(1336-1467)、1441年には、車借、馬借、農民が室町幕府から徳政令をかちとったが、26年後の1467年に応仁の乱が起こり、戦国時代(1467-1590)に突入した。この時代には、日本は100年以上無政府状態で、それぞれの国は、日本を統一するために戦った。江戸時代(1603-1867)、1841年から天保の改革を行った水野忠邦は、棄損例(きえんれい)を出して旗本・御家人の借金を一部免除したり、商人から莫大な御用金を取り立てようとしたりした。この御用金は利子を付けて返済するので、いわば強制的な公債であった。また、貨幣の質を落とし大量に発行したので、インフレになった。そして26年後の1867年、幕府は滅亡した。このように考えると、現代は歴史上の一つの体制が滅び、新しい体制になる時代とよく似ていることがわかる。つまり、現代は、国家財政の赤字がふくらみ国家が破産しようとしている。国の債務は、GDP200%と言われている。2012年に発足した安倍内閣は金融緩和を促進しているが、その政策は江戸時代の天保の改革と本質的な違いはなく、結果は明らかである。鎌倉時代、室町時代、江戸時代では、天皇により幕府の長である将軍が任命され日本を統治したが、この時代に徳政令や棄捐令が発せられた 。天皇が世襲であるために、その周辺の人々も世襲で、国家を破産させてしまった。現代は、政府が幕府である。そして、封建時代と同じような国家破産が起ころうとしている。これが日本の伝統の政治である。

 体制終焉のメカニズムは次のように説明される。天皇制そのものは、天皇自身が国を統治したり、あるいは統治者を慣習的に任命したりして一応持続してきたが、天皇のもとで国の統治者は何回も交代してきた。これまでのように天皇制のもとでいくつかの体制が興亡をくり返してきたのは、天皇制が世襲制であることに起因している。天皇が世襲であると言うことは、その天皇の周辺にいる特権階級も世襲になると言うことである。例えば、江戸幕府においても、将軍は天皇によって任命された。しかし、天皇とその周辺の将軍、旗本、御家人、大名などの特権階級は世襲制であるために他の人々との間に隔たりが出来ることになる。幕府は、体制を維持するために外様大名の取りつぶしを進め、一方幕府の周辺の旗本、御家人を優遇した。幕府の財政が苦しくなるのは当然で、それをまかなうために棄損令を出したり、貨幣を改鋳して大量に発行したりした。このようにして幕府に対する国民の不満は高まり、幕府滅亡に至った。これは、それ以前の鎌倉、室町幕府についても言えることである。現代においては、言うまでもなく政府が幕府に相当する。しかし、日本の経済は不況とは言え、国民の金融資産はGDP2倍以上になっており、世界トップクラスの債権国である。財政赤字は、政府の責任である。これは、幕府であれ政府であれ、権力者が天皇を奉り国を統治している限りくり返されるものである。つまり、国家奴隷制である。

 日本の伝統の政治を考えるとき、第二次世界大戦のときの日本の政治を考えなければならない。この時代の政治は、日本の伝統の政治のもう一つの側面をなす。ここで、日本に外国の軍隊がいなかった戦前の歴史を振り返ってみる必要がある。以下に日本の近代の歴史を概観する。

 

1853年 ペリー提督、米国から浦賀に来航。翌年、日米和親条約を締結

1861年 米国で、南北戦争

1867年 大政奉還。江戸幕府滅亡

1874年 台湾出兵

1889年 大日本帝国憲法発布。戦前の天皇制が樹立

1894年 日清戦争

1904年 日露戦争

1910年 韓国併合

1914年 第一次世界大戦

1920年 国際連盟に加入

1931年 満州事変

1932年 五・一五事件。犬飼毅首相殺害

1933年 国際連盟を脱退

1936年 二・二六事件。高橋是清蔵相ら殺害

1939年 第二次世界大戦

194111月、ハル=ノート。12月、太平洋戦争

1945年 終戦。翌年、日本国憲法公布。天皇は、日本の象徴

 

 以上の歴史のように、1853年に米国のペリーが来航するまでは、日本は江戸時代で、ほとんど完全な鎖国状態であった。それまでは、日本は江戸幕府により統治されており、天皇は禁裏の長として慣習的に尊重されていた。反幕府の各藩は、江戸幕府を倒し明治政府を樹立するために天皇のもとに結集した。幕府滅亡後、1889年に大日本帝国憲法が発布され、天皇は日本を統治することが憲法で明記された。1945年、第二次世界大戦が終了し、1946年、日本国憲法が公布され天皇は政治的権力を失い日本の象徴となった。江戸時代には、天皇は慣習的に幕府の将軍を任命し、明治時代から1945年までは自らが日本を統治し、戦後は象徴となり国会の指名に従って総理大臣を任命している。このように、日本は100年足らずのうちに封建制の国から民主主義の国へと変貌した。米国が、1861年の南北戦争を経た後は、国内での戦争がなくなり民主主義が確立したのに比べると、日本の民主主義の歴史はまだ浅いものである。そしてなによりも、日本の民主主義は、米軍が国内に駐留している状態で維持されてきたものであり、日本人自身の力で維持してきたのではない。

 日本の外国との戦争の歴史について考えてみると、日本は徐々にアジアに進出して行き、満州に進出し1931年に満州事変を起こした時、中国国民党は国際連盟に提訴し、連盟はこれを受けてリットン調査団を満州に派遣した。1932年、日本で、天皇を支持する海軍の青年将校らによる五・一五事件が起き、犬養毅首相が殺害された。犬飼首相は民主的に選ばれた首相だったが、この事件のあと日本の初期の民主主義は否定され、首相は事実上、軍部に指名されるようになった。1933年、国際連盟総会において賛成 42 : 反対 1 : 棄権 1 (反対は日本、棄権はタイ) で日本の撤退等を要求した対日勧告案を可決したが、日本は連盟を脱退した。1936年、日本で、陸軍の天皇を支持する青年将校らによる二・二六事件が起き、高橋是清蔵相、その他などの政府要人が殺害された。反乱軍は鎮圧され処罰されたが、五・一五事件や二・二六事件により議会政治は無力となり、軍国主義へと進んで行った。1941年に、中国・ベトナムからの撤退など、とうてい受け入れられない要求を含んだハル=ノートを米国に突きつけられ、日本はやむなく対米開戦に向かったとの見方が有るが、連盟脱退の時点で既に、日本は侵略のルートに乗っていたことを忘れてはならない。もし米軍のような強力な軍隊が国内に駐留していたら、五・一五事件や二・二六事件は起こらず、民主主義も崩壊しなかったと考えられる。ある程度確立しかけた民主主義が崩壊したのは、日本もドイツも同じである。一方、現在に目を向けると、戦後は一応民主主義で平和な国となったが、それは安保条約に基づき米軍が日本に駐留している状態での民主主義と平和である。つまり、日本の民主主義と平和は日本人自身の力で維持されているのではない。もし安保条約を廃棄し米軍が日本から撤収したら、また戦前のようなクーデターが起き、議会政治が力を失い、軍国主義になるかもしれない状況になる。しかし、現在のように外国の軍隊が国内に駐留していては植民地と同じである。これは、現在の日本の外交を見れば明らかである。日本人が独立国の尊厳を取り返そうとするのは、自然の流れである。しかし、米軍が撤収すると戦前と同じ状態になる。

 

 C. 未来の政治

 

 このように、日本の伝統の政治を考えると、必然的に日本の未来の政治が見えてくる。もちろん日本の伝統的な政治にも素晴らしいことがたくさんある。特に、日本が植民地にならなかった最大の理由は、天皇の権威のためであったと考えられる。しかし、反面、改善しなければならない点もたくさんある。国家破産を防ぎ軍国主義を防ぐために必要不可欠な改善は、天皇制を廃止し大統領制を導入することである。戦争中にアジアの国々で日本がしたこと、原爆を投下され敗戦に至ったこと、そしてその日本の政治体制の頂点が天皇であったことを考えれば、これは当然の結論である。天皇制廃止および大統領制導入の過程においては、自衛隊があくまで文民統制のもとにとどまるように、隊員の動向を厳しく監視する必要がある。軍国主義を復活させるような人物を、自衛隊の要職につけてはならない。

 言うまでもなく、天皇制が廃止されても天皇はなくならない。世界党日本は、天皇は日本のすばらしい伝統であるが政治体制の中ではなく民間にあり、個人的にあるいは慣習的に尊重されるのが良いと考える。キリスト教のローマ法王およびバチカン、イスラム教のメッカ、ヒンズー教のバラナシなど、慣習で尊重されている地位や聖地のように、個人的にあるいは慣習的に尊重されるのが良いと考える。つまり、日本の政治体制は、政教分離のもとになければならない。天皇制の廃止に際しては、皇族およびその関係者には、一時金、年金などの補償が必要になると考えられる。天皇は政治体制を去り、一市民として、そして宗教法人の長として存続するであろう。世界党日本は、日本の国会で以下のような宣言を採択することを提案する。

 

 日本の天皇は、数千年の歴史を持ち、人々にとって不滅の権威であった。しかし、現代において、社会の情勢は大きく変化したため、我々日本国の国会議員は、天皇のあるべき場所を再考しなければならない。我々は、天皇は社会の政治体制の中にあるべきではなく、社会の民間にあるべきだと考える。それ故、日本国憲法を改正する。我々は、天皇が永久に日本の国民のために祈り、この日の昇る国において、永久に存続することを願う。ここに、我々日本国の国会議員はこれを決する。

 

さらに、世界党日本は、天皇はノーベル賞よりも賞金額の大きい賞を発行することを提案する。そのための予算は、廃止後少なくとも20年は提供される。このように、法律的には天皇制は廃止されるが、慣習的には天皇の権威は廃止前より高くなる。

 すべての国が国家破産するわけではない。アングロ=サクソン民族が支配的なイギリスとアメリカには国家破産がない。民主主義の発祥の国、イギリスでは、1688年から始まった名誉革命以来国家破産がない。1803年から起こったナポレオン戦争では、苦しかったが持ちこたえた。最近では、1979年から1990年まで首相であったサッチャー首相の改革がある。サッチャー首相は、状況を緻密に分析し、実行すべきことを鉄の意志で実行し、「鉄の女」の異名をとった。一方アメリカでは、1981年から1989年までレーガン大統領だったが、レーガノミックスといわれる改革を行った。2013年のアメリカでは大統領はオバマで、財政危機、つまりデフォルトの危機、の状態であったが結局は乗り切つた。しかし、日本は政治の歴史を見ればわかるように、徳政令や棄捐令が何度も発行されて、国家財政が破産している。だから、ケインズ経済学の、有効需要を管理するという理論に基づいた金融緩和の政策は、日本では通用しない。ケインズ経済学にしたがって経済を良好に運営するためは、イギリスやアメリカのように国家財政が破産しない国でなければならない。現在においても続く日本の統治階級の伝統的な政治により、間もなく国債の償還が停止されるか、インフレで国債が紙くず同様になってしまうであろう。もし国家財政が破産すれば、我々の預金を銀行から引きだせなくなるのである。国家が破産するということは、その国が文明国とは言えない証拠である。統治者階級の伝統的な政治で国家が破産した時、尻拭いをさせられるのは、一般の国民である。勤勉な国民が爪に火をともしてためた財産を税金で取り上げようとしている。「国民の金融資産はGDP2倍もあるから、この金を国が使えるようにできないか。」などと堂々と言う政治家もいる。つまり、日本の伝統の政治体制は、国家奴隷制である。

 それでは、いつ天皇制を廃止して大統領制を導入する動きが国民全体に起こってくるのであろうか。それは、基本的には、以下の三つ場合が考えられる。

 

 1 憲法改正の動議が国会に提出されたとき。

 2 国家破産が起こったとき。

 3 日米安保条約が廃棄され、米軍が日本から撤収するとき。 

 

この三つのうちのどれか一つが起こったとき、一般の国民の間に天皇制廃止の議論が起こってくるであろう。

 現在の国会では、国会議員の国政調査権すら使われていない。憲法第六十二条に「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。」と、国政調査権が規定されている。しかし、実際には、財務省は国家破産するとわかっている予算を毎年組んでいるが、選挙で選ばれた国会議員はこの権利を行使しない。各省庁には、埋蔵金と言われる資金があると言われているが、国会議員が国政調査権を行使してこれを調査しない。

 上の三つの条件のうち憲法改正と国家破産は近い将来に起こる可能性が非常に高い状況である。世襲の地位にある者が国の象徴になったり国を統治するのではなく選挙で選ばれた者が政治を行う民主主義は、歴史の必然である。上にあげた、三つの条件の一つが満たされるとき、歴史の必然あるいは流れが明らかになるであろう。つまり、天皇制廃止の動きあるいはそれに匹敵する動きが起こるであろう。

 天皇制に関する思想も、本当に良いことは常識になると言う思想に基づいている。もし、常識に反することを言ったり実行したりすれば笑われる。たとえば、電燈の代わりに灯油ランプを使おうとすると笑われる。あるいは、車やオートバイのかわりに馬やラクダに乗ろうとすると笑われる。あるいは、オリンピックやサッカーのワールドカップを廃止しようとすると笑われる。あるいは、義務教育を廃止しようとすると笑われる。このように、本当に良いことは常識になる。しかし、天皇制廃止論は笑われない。もし、天皇制が本当に良いことで常識として定着していれば、天皇制廃止論は笑って無視されるはずである。逆に、天皇制が廃止され大統領制が導入された後に、天皇制を復興しようとすれば笑われるであろう。これはちょうど、国会を廃止して幕府を復興しようとすると笑われるようなものである。このように、本当に良いことは常識になる。それ故、我々は、常識はどうなるかを考えなければならない。

  もし天皇制が廃止されたら、天皇に代わる日本を統治する権威が必要である。権威がなければ、国には内乱が起こってしまう。世界連邦においては、最高権威は世界議会であり、日本国内における大統領制の権威は大統領、議会、法廷であり、これらの権威を支える柱が、世界党のような国際的な政党である。世界党は、そのような考えにもとづいて、千年後も存在している政党を目指して設立された。このことは、20118月にアフリカのガーナで開かれた第一回世界党大会で採択された世界党宣言にも書かれている。世界党大会は、4年ごとに開かれる。

 世界政府研究所日本は、新しい日本の憲法の草案を準備しており、

 

新日本国憲法 http://www.w-g.jp/wgi/japan/constitution-wgij-j.htm

 

として発表されている。この憲法は、世界市民の思想にもとづいており、最大の特徴は天皇制を廃止し大統領制を導入することである。世界党は、この憲法を支持する。

 

 3. 北朝鮮および韓国

 

 言うまでもなく、第二次世界大戦前は北朝鮮と韓国はひとつの国であった。それゆえ、両国の国民は同じ民族である。北朝鮮は独立国で外国の軍隊は駐留しておらず、最近、核爆弾を開発した。一方、韓国も独立国であるが、アメリカ軍が駐留している。この状態でアメリカ軍が撤収すれば、朝鮮半島は北朝鮮に支配されることは明らかである。朝鮮の人々は朝鮮半島の統一を望んでいるが、北朝鮮の力による統一は望んでいない。

 このような状態で、国連はその役割を演じることができる。国連は、朝鮮半島の統一のロードマップを作るべきである。このロードマップにおいて、北朝鮮のリーダーは罪に対するいかなる罰からもまぬかれ、彼らの地位と資産はある程度保証されるべきである。アメリカ軍は韓国に駐留するが、北朝鮮に進出してはならない。このような条件のもとで、統一朝鮮の大統領の選挙が行われるべきである。これらは、国連の監視のもとで行われることができる。

 

 4. アメリカ

 

 アメリカは世界で最も強力な国である。政治は民主主義で、経済は世界最大の規模で、国際社会における役割は重大である。しかし、アメリカの国際政策はいくつかの深刻な問題をかかえている。最も深刻な問題は、アメリカは国連を尊重しないということである。ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク等がその例で、アメリカは国連の決定なしにこれらの国を空爆した。大いなる力には大いなる責任が伴う。世界で最も強力な国が国連を尊重しないことは、重い罪である。もし世界で最も強力な国が国連を尊重すれば、ほかの国はそれを無視できない。世界党はアメリカの人々に、国連の議決を尊重し従うよう勧告する。世界党はアメリカの敵ではない。世界党はアメリカの真の友でありたいと思っている。それ故、世界党は、国際社会においてとるべき最良の政策を勧告する。

 

© 著者 鈴木俊雄 20159

 

鈴木俊雄

世界政府研究所

270-0007 千葉県松戸市中金杉1-158

ウエブサイト: http://www.w-g.jp/index-j.htm

E-メール: http://www.w-g.jp/e-mail.htm

 

 は、世界党のロゴで、特許庁に登録されています。背景の濃紺は宇宙を、青い円は地球を、緑の円は地球上の生命を意味します。

2015年9月24日更新





世 界 党 宣 言

起草 鈴木俊雄 世界党日本

世界党大会にて宣言および採択

2011年8月12日、ガーナ、アクラ

前 文

 これは、2011年8月にガーナで開催された世界党大会で宣言された宣言です。世界党は、世界連邦と世界政府の樹立を目指す国際政党です。ここにおいて、世界連邦とは世界的な規模の独立国の連邦であり、世界政府は連邦の中央政府です。
 私たちは世界市民です。私たち人民は心から世界平和と人々の幸福を願います。私たちの義務は世界民主主義を樹立することだと信じます。私たちの基本的な政策は、世界連邦と世界政府を樹立することです。以下のように世界党の三原則があります。

 1. 最優先事項は、世界全体のあるいは社会全体の利益であり、党の利益は、その後に来る。世界がよくなれば、我々の国がよくなる。我々の国がよくなれば、我々の生活がよくなる。

 2. 世界党の政策に関しては、虚偽があってはならない。

 3. 世界党には腐敗があってはならない。我々は、資金に関しては厳格でなければならない。

 以下、宣言とビジョンは、国際的な観点と各国の国内的な観点から述べられます。ここに示される宣言は世界党大会で公認されました。この公認は、世界党と世界党の各支部の権威の土台です。この公認は、世界党と各支部が人々の支持を得ることを可能にします。

国 際 政 策

世界連邦と世界政府の基本的な利益は以下のとおりです。

 1. 世界連邦と世界政府は、戦争を減らすか防ぐことができるので、戦争による破壊を減らすか防げます。

 2. 世界連邦と世界政府は、軍事費を減らせます。

 3. 世界中央銀行が国際共通通貨を発行するので、為替レートの変動をなくせます。

 私たちが樹立しようとしている世界政府は社会の限られた一面のみに関わります。つまり、原則として、軍事力の管理、通貨の発行、および個々の国では解決できない他の政治的経済的な問題のみを扱います。宗教、自由主義あるいは共産主義のような政治的および経済的な体制、工業、農業、商業、科学、芸術、スポーツ、伝統等のような社会の他の側面は個々の国の自由です。世界党では、政治と宗教は分離されており、宗教は個人的な事柄として考えられているので、どのような宗教も許されます。
 世界党は、各国にひとつの支部を持ち、各支部の国際事務局です。世界党は、個人のメンバーを持っておらず、メンバーは各国の支部であり、各国の支部が個人のメンバーを持っています。
 各支部の基本政策は、世界党の基本政策と同じでなければなりません。ここで、基本政策は世界連邦と世界政府を樹立することです。しかし、各支部はそれ自身の政策を持つことができ、各支部は自由主義も共産主義も宣言できます。つまり、ある国の支部は自由主義を宣言でき、別の国の支部は共産主義を宣言できます。政治と宗教は、支部においても分離されています。
 現在、世界連邦と世界政府は存在しません。それゆえ、世界党は欧州議会のような立法権のない世界議会の設立を目指しています。世界連邦と世界政府を樹立するプロセスは以下のとおりです。

 上に示されているように、各国は代表を世界議会へ送りますが、代表は人口に応じて配分され、議席の総数は基本的には1,000です。初期段階の世界議会は、立法権のない諮問会議ですが、議会が良好に機能すれば立法権を得て世界憲法を制定します。世界党は各国に支部を持っており、その各国の支部が世界議会への代表を選出する政策を促進します。各国の議席は人口に応じて配分され、計算の方法は下の表に示されています。

人口統計の出所は国連で、日付は2009年6月です。この統計は、2011年8月のガーナでの世界党大会まで使われます。世界人口は6,829,297.0千人で、そのうち中国は1,345,751.0千人、インドは1,198,00 3.3千人、アメリカは314,658.8千人、日本は127,156.2千人、仮想国は1.0千人です。総代表数は基本的に1,000人で、議席は人口に応じて配分されます。したがって、中国の場合、議席あるいは票は197.0556ですが、少数第一位がゼロなので切り捨てられ調整済み票は197.000です。したがって、公式の代表は197人です。インドは、票は175.4212で、少数第一位がゼロでないので切り上げられ調整済み票は176.000で、公式の代表は176人です。アメリカと日本では、同様に調整済み票が計算されます。仮想国の場合では、人口は1.0千なので票は0.0001だけです。これは、0.001に繰り上げられます。したがって、この国は0.001票を持った代表を一人送ることができます。この措置により、すべての票は4クラス、1, 0.1, 0.01, 0.001に分類されます。さらに、世界議会へ参加するにはいくつかの条件があります。


 1. 世界議会への代表は、人々に直接選ばれなけらばなりません。もし代表が選挙なしで送られてきたら、公式の代表として受け入れられません。彼らは、オブザーバーとして出席できます。

 2. 各国からの代表は、少なくとも世界議会の開催の1年以上前に、議会の国際事務局に、議会への代表として登録されなければなりません。ただし、議会への参加の登録は議会の当日でも受付けられます。

 3. 一国は、議会における議席数の3倍の登録代表を持つことができます。たとえば、ある国の議会における議席が10人なら、その国は30人の登録代表を持つことができます。この30人の代表の中から、10人を公式の代表として送ることができます。

 4. もし登録代表に問題があれば、ほかの国はその登録代表に対して反対することができます。たとえば、もし登録代表が直接人々により選挙されていなければ、ほかの国はそれに対して反対することができます。反対の票数は、各国の登録代表の投票数に依存します。もし、反対が登録代表の総票数の5%に達したら、その反対さた代表はほかの国から承認を得なければなりません。承認を得るには、二つの方法があります。ひとつは、世界議会で承認を得る方法で、もうひとつは、文書で承認を得る方法です。前者では、有効票の過半数が反対された代表を承認すれば、反対された代表は承認を得られます。この場合、棄権は計算されません。たとえば、票数が100で49票が承認、48票が反対、2票が棄権なら、承認は総票の過半数になりません。しかし、棄権が計算されなければ、承認は過半数になります。

 5. 代表の票は委任できません。つまり、出席している代表だけが票を持つことができます。したがって、10票を持つ国が5人の代表だけを送ってきたら、その国の票数は5票です。

 6. 一国の総票数は最大で出席している代表の総票数の20%までです。たとえば、出席している代表が50人で、ある国の代表が30人なら、その国の票は総票数の60%です。しかし、その国の有効票数は、50 x 0.20 = 10 です。

 なぜ世界議会を設立しなければならないかという、確固たる理由があります。世界議会は議論の場です。飛行機、エンジン、電気、コンピュータのような科学技術の発展は文明に貢献してきましたが、ある意味では人々による議論は科学技術よりもはるかに重要です。農業のなかった原始時代では、人々は非常に貧しかったと思われますが、なんとか生きられました。農業のあった封建時代では、ほとんどの人は貧しかったが社会全体では余剰がありました。つまり、原始時代には社会が貧しすぎたのでプロの兵士や地主はいませんでしたが、農業のあった封建時代には余剰があるのでプロの兵士や地主がいました。プロの兵士や地主は、生活必需品を生産しません。したがって、プロの兵士や地主がいる時は、社会全体に余剰がなければなりません。たとえば江戸時代(1603〜1867)の日本では、侍や地主がいました。侍は、封建時代の日本のプロの兵士です。このように、人々が牛や馬で土地を耕したり荷物を運んだりしている社会でさえ、社会全体では余剰があります。これは、すべての人々が良い人ばかりですべての問題を話し合いで解決すれば、牛や馬で土地を耕し荷物を運んでいる社会でさえ、戦争もなければ貧困もないということを意味します。しかし現代では、封建時代に比べて科学技術はくらべものにならないほど高いのに、戦争は根絶されていません。したがって、科学技術は人間の幸福にとって重要だが、すべての人々による議論ははるかに重要だと言うことができます。したがって、世界をより良くしたければ、問題を議論で解決しようとしなければなりません。これが、世界議会が必要な理由です。実際のところ、科学技術の発展は所得をあげてきました。しかし、世界議会のような議論の場がなければ、科学技術の発展は世界の平和にとって役に立たないと言えます。
 国際連盟と国際連合では、どちらが優れているでしょうか。ある意味では、国連は連盟の改良版です。しかし、連盟の方が優れていることを証明する例が、少なくともひとつあります。1931年に、日本は満州を侵略しました。満州は中国の北東に位置し、面積は日本の約3倍です。中国国民党政府は連盟に提訴し、連盟はリットン調査団を満州に派遣しました。連盟は、調査団の報告を考慮し、42(賛成)、1(日本の反対)、1(棄権)で、日本は満州から撤退すべきだという決議案を可決しました。しかし、日本は連盟を脱退し、1941年に対米の戦争に突入することになります。他方、国連では、国連の欠点を示すいくつかのケースがあります。最も深刻な問題は、世界で最も強力な国であるアメリカが国連を尊重しないことです。たとえば、2003年、アメリカは国連の決議なしにイラクを侵略しました。アメリカは、イラクは大量破壊兵器を保有していると主張しましたが、実際にはイラクはアメリカの人々の幸福を脅かすような危険な兵器は保有していませんでした。本当の理由は、世界で2番目の埋蔵石油を確保するためだと言われています。アメリカは、国連の決議を尊重し従うべきです。世界政治には多くの問題があります。国連の無視は、最も深刻な問題のうちのひとつです。国連は、アメリカはイラクから撤収すべきだという決議を可決しませんでした。決議にとっての基本的な障害は拒否権だったと思われます。このように、少なくとも、満州事変とイラク侵略に関しては、連盟の方が優れていると言えます。したがって、世界議会を設立しなければなりません。
 また、貧困の撲滅も考察されなければなりません。人々は、原始時代でも生きられました。現代では、科学技術は原始時代とはくらべものになりませんが、依然として貧しい人がいます。基本的に、貧しい人は仕事を得られないので貧しい状態です。したがって、雇用を提供しなければなりません。世界連邦と世界政府の世界システムは、この状況を改善できます。

国 内 政 策

アフガニスタンおよびイラク

 2001年9月11日、4機のジェット機が世界貿易センター、ペンタゴンなどを攻撃し、この攻撃により約3,000人が死亡しました。アメリカ政府は、これはアフガニスタンに潜んでいるイスラム戦士グループ、アル・カイダの攻撃であると断定し、2001年10月に同盟国とともにアフガニスタンを空爆し占領しました。さらに、2003年3月、アメリカと連合諸国はイラクを攻撃し占領しました。アメリカは、イラクは大量破壊兵器を保有していると主張しましたが、これらの二つの攻撃は、国連の決議なしに行われました。それ以来、アフガニスタンとイラクはアメリカと連合勢力に占領されており、イスラム戦士による自爆攻撃が時々あります。アフガニスタンとイラクでは、アメリカと連合勢力による攻撃以来、約90万人が死亡したと言われています。アメリカはこれらの国を国連の決議なしに攻撃しました。これは非常に大きな問題です。しかし、イスラム戦士による自爆攻撃も問題です。2001年9月11日の攻撃のように、他国への自爆攻撃は自爆攻撃者が潜んでいる国の占領の理由を与えてしまいます。
 世界党は、非暴力と非服従を勧告します。マハトマ・ガンジーは、この方法でインドを独立に導きました。1947年の独立以来、インドは独立国です。ここで、何故、インドは攻撃されて占領されないのに、アフガニスタンとイラクは攻撃され占領されたかを考えるべきす。言うまでもなく、インドは核兵器を持っており、これがインドの独立の理由のひとつです。しかし、非暴力と不服従がインドの永久的な独立の理由であると思われます。何故ならば、インドは核兵器なしに、非暴力と不服従の政策で独立を勝ち得たからです。この非暴力と非服従の政策はマハトマ・ガンジー・イニシャチブと名づけられ、世界党の基本的政策のひとつです。

中 国

 現在の中国は社会の多くの面で成長しており、特に経済は堅実に成長しています。中国において最も深刻な状況は、政治の状況であると思われます。中国における政治は、共産党に支配されています。将来は、中国における民主主義を促進するために、複数政党が許されるべきです。世界党中国は、中国にとって非常に有利です。なぜならば、世界党大会の議席は、一カ国は参加している代表の票の20%までしか持てないのですが、人口に応じて配分されるからです。国際的に協力する政党は、世界中の人々が集まり党を形成するので、民主主義が困難である国で民主主義を促進することができます。世界党は、中国は複数政党制を認めるべきだと、中国の人々に勧告します。

日 本

 現在の日本において、政治経済において最も深刻な問題は、もし米軍が日本から撤収すると日本は軍国主義にもどるかも知れないということであり、日本の国家財政が破産しようとしてるということです。特に、第二の問題はまもなく起ころうとしています。これらの二つの問題の基本的な原因は天皇制にあります。
 政治に関しては、日本は軍国主義にもどるかもしれないという恐れがあります1930年ごろから1945年までの期間において、日本は軍国主義下にあり天皇が体制の頂点にありました。私たちは戦争の歴史を忘れてはなりません。1931年に、日本は満州を侵略しましたが、これが満州事変です。中国は国際連盟に提訴し、1933年に連盟は、日本は満州から撤収しなければならないという決議を賛成42、反対1(日本)、棄権1で可決しました。しかし、日本は連盟を脱退しました。一方1932年の日本では、犬飼毅首相が海軍の青年将校によって殺害されました。これが5・15事件です。犬養首相は民主的に選ばれましたが殺害されたので、日本の幼児的な民主主義は終結しました。1936年には2・26事件が起こり、約1,500人の陸軍の兵士がクーデターを起こし何人かの重要な政治家を殺害しました。これらの事件の参加者は処罰されましたが、これらの事件は日本の民主主義を破壊し、日本は軍国主義へと進んでいきました。これらの事件の後、首相は事実上軍部に指名されるようになりました。これらの事件は過去の歴史で、現在日本は民主的で経済は繁栄しています。しかし、これらの状況はアメリカ軍の存在のもとで維持されてきました。もし、アメリカ軍が日本から撤収すれば、政治的な状況は軍国主義の時代と同じです。つまり、5・15事件や2・26事件のような事件が起こり得ます。したがって、天皇制が廃止され大統領制が導入されなければなりません。ただし、天皇制が廃止されても天皇は宗教法人の長として存在し続けることができます。
 経済については、日本の財政の破産は日本の歴史において何回か起こりました。その時代では、日本は幕府により支配され、幕府の長は天皇に任命されました。たとえば、江戸時代(1603〜1867)に、幕府は借金を帳消しにする命令を出さざるを得ませんでした。現在の日本において、国家財政は破産しようとしています。政府の借金は日本のGDPのほぼ200%です。したがって、近い将来に日本政府は、国債の償還停止のような措置をとらなければならないでしょう。国家財政の破産は、日本の伝統的な政治によるものです。つまり、天皇が世襲なので、天皇の周辺の特権階級が経済を破産させます。天皇周辺の特権階級とは、封建時代では日本の封建時代の戦士であるサムライであり、現代では国家官僚です。財務省の官僚は日本の国家財政の予算を作成しますが、この予算が破産の原因です。国家財政の破産を防ぐためには、天皇制が廃止され大統領制が導入されなければなりません。
 このように、上の二つの問題を解決するためには、天皇制が廃止され大統領制が導入されなければなりません。もし天皇制が廃止されたら、よりよい権威が必要です。権威がなければ国内の衝突は解決されません。つまり、日本は無政府の状態になります。世界党宣言は世界党日本に権威をあたえます。なぜならば、宣言は世界党の全支部の共同声明として宣言されるからです。このように国際的に協力する政党は天皇制よりもよい権威となることができます。

北朝鮮および韓国

 言うまでもなく、第二次世界大戦前は北朝鮮と韓国はひとつの国でした。それゆえ、両国の国民は同じ民族です。北朝鮮は独立国で外国の軍隊は駐留しておらず、最近、核爆弾を開発しました。一方、韓国も独立国ですが、アメリカ軍が駐留しています。この状態でアメリカ軍が撤収すれば、朝鮮半島は北朝鮮に支配されることは明らかです。朝鮮の人々は朝鮮半島の統一を望んでいますが、北朝鮮の力による統一は望んでいません。
 このような状態で、国連は役割を演じることができます。国連は、朝鮮半島の統一のロードマップを作るべきです。このロードマップにおいて、北朝鮮のリーダーは罪に対するいかなる罰からもまぬかれ、彼らの地位と資産はある程度保証されるべきです。アメリカ軍は韓国に駐留するが、北朝鮮に進出することはできません。このような条件の下で、統一朝鮮の大統領の選挙が行われるべきです。これらは、国連の監視の下で行われることができます。

ソマリア

 ソマリアは多くの資源に恵まれており、その資源は多くの外国の勢力を引きつけています。証明された石油資源はありませんが、スーダンに続くと言われており、ウラニウム、鉄鉱石、錫、せっこう、ボーキサイト、銅、塩、天然ガスなどの未開発の資源も持っており、外国からの会社がこれらの資源を開発しています。ソマリアは1960年に独立しましたが、武力紛争が絶えません。特に1991年には内乱が勃発し、ソマリアは無政府状態になりました。国連軍が介入しましたが、19人のアメリカ兵、1,000人以上の民間人および民兵が1993年10月に死亡し、1995人に国連軍は撤収しました。現在では、海賊を含み多くの紛争があります。
 この状況において、世界党ソマリアの役割はどのようなものでしょうか。世界党ソマリアは国際政党なので、人々の支持を得るでしょう。ソマリアは強固な権威を持った政党を必要としています。

アメリカ

 アメリカは世界で最も強力な国です。政治は民主主義で、経済は世界最大の規模です。国際社会における役割は重大です。しかし、アメリカの国際政策はいくつかの深刻な問題をかかえています。最も深刻な問題は、アメリカは国連を尊重しないということです。ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク等がその例です。アメリカは国連の決議なしにこれらの国を空爆しました。大いなる力には大いなる責任が伴います。世界で最も強力な国が国連を尊重しません。これは、重い罪です。もし世界で最も強力な国が国連を尊重すれば、ほかの国はそれを無視できません。世界党はアメリカの人々に、国連の決議を尊重し従うよう勧告します。世界党はアメリカの敵ではありません。世界党はアメリカの真の友でありたいと思っています。世界党は、国際社会においてとるべき最良の政策を勧告します。

ベネズエラ

 ベネズエラは1821年に独立し、その後いくつかのクーデターを経験してきました。経済は、石油に支配されており、石油からの収入はGDPの3分の1、輸出の80%、そして政府収入の半分以上です。汚職は深刻な問題です。現在は、Hugo Chávez政権のもとで民主主義ですが、彼はクーデターのかつてのリーダーであり、政治は完全に安定していません。
 この状況で、世界党ベネズエラは、安定した民主主義の確立に重要な役割を演じることができます。

 これらは、「世界政府のための国際政党」または、アマゾンXlibris Online Bookstore や書店を通して入手できる Soul Federation でより詳しく説明されています。

2011年9月5日更新


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