手 紙




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1997年11月12日以後


 世界連邦建設同盟横浜支部の高木氏からの手紙と、それに同封の手紙

 高木氏から

97.11.11

 鈴木俊雄様

 前略、さきの高松日本大会では青年の集いでのご活躍ご苦労様でした。
さて、上本真琴女史より同封の手紙が来ております。上本さんは横浜支部の会員ですが、ご主人の勤め先の関係で現在、名古屋にお住まいです。
鈴木さんの論文に関心を寄せておられますので、何らかのご回答をされますようお願いします。
先ずは用件のみ

高木旭

 上本さんから

平成9年10月11日 世界連邦建設同盟
横浜支部御中

名古屋市千種区仲田1-5-3-11
上本真琴

前略

 長い間ご無沙汰しております。10月9日に「WFMよこはま7号会報」を受け取りました。いままで分からなかったことが盛り沢山書かれていてとてもおもしろく拝見しました。世界中の人たちが幸せになるために、よりよい世界を作るためにいろんな人達がアイディアを出し合い意見を交換している様子がヒシヒシ伝わってきます。そして世界連邦がどういう運動をしているのか少し分かったような気がします。
 鈴木俊雄氏の国連とは別に人口に比例する世界連邦を樹立しようとする考えは大変面白いと思いました。わたしは今の国連がどのようなものかよく分かりませんが常任理事国という特権のある国があり軍事力や経済力が幅を利かせている現在の国連は平等、公平に運営されているとは思われません。それを打開するために考えた提案だと思います。興味深く読ませていただきました。
しかし私はこの提案に付いてこんな風に考えてみました。
・軍事力、経済力で世界を支配するのではなく人口の数が世界を支配することに変わるだけで結局各国間の平等、公平は守られないようなきがします。アメリカが握っていた権力を離さないように今度は中国やインドが世界の権力を握り、支配者、権力者がアメリカと替わるだけのような気がします。一旦権力を握ると弱い立場の人達(人口の少ない人達)のことを理解できるでしょうか。中国やインドはそんな国でないという保障はありません。中国は共産圏であり真の民主主義が生まれないというような気がいたします。将来アジアの時代が来ることは十分予測できますが。
・人口に比例して世界議会のメンバーを選出し世界を支配することも可能だとしたら世界議会での発言権等の力を得たいと思う国は人口を増やさなければなりません。現在のところ地球環境を考えて人口抑制を考えている現状からそれに反する結果になるような気がいたします。
・私は軍事力、経済力、人口の数に関係なく各国同数の方がまだいいようにおもいます。大きい国も小さい国も平等に発言権や決定権があれば何処の国が支配するというのでなく世界が話合って決めていけるような気がいたします。

 民主主義とは一体どういうことをいうのでしょうか、考えてしまいます。多数決でしょうか。今学校で「いじめ」があります。多数の人が決めてしていることだから「いじめ」は民主的なのでしょうか。
 私は、真の民主主義とは、ひとりひとりが常識と良心が備わっていて初めて成立するするような気がいたします。難しいですネ。
 今日ここに書いた事柄は深く考えたものではなく思いついたままを書いただけですから間違いがあったらゴメンネ。

以上

 返信

前略

 高木氏からお手紙を転送して頂きました。先ず、何よりも記事を読んでいただいたことを本当にうれしく思っています。先日は、大学院で哲学を研究している方が、私のホームページを見て、論文を読んで手紙を下さいました。その方のホームページと私のホームページをリンクで結びました。もし、世界政府運動が普及し本当に世界政府ができるとしたら、こんな風にお互いに結びついて発展して行くのだろうと思います。
 意見については、私の意見が何処まで受け入れられ実行されるかは、自分でも分かりませんし、自分の考えに執着もしていません。もっと、実際的な意見が出ればいつでもそれに従うつもりです。上本さんの書いたように、人口に応じてではなく、各国が同数の代表を出すのが一番良いのかも知れません。もちろんこれは、上本さんが常任理事国の拒否権などない状態を言われていると思いますが。また、その代表者は国民に直接、選挙で選ばれたのか、あるいは各国の政府が勝手に決めたのかも問題です。
 一つ誤解している様にも思われましたので、一つ書いておきます。それは、私の論文で書いてある世界議会は立法権のない諮問会議だと言うことです。つまり、単なる参考意見を提出する機関です。例え、議員が1,000人でそのうち中国が200人インドが150人の議会ができたとしても、そこで決議されたことはあくまで参考意見です。各国はあくまで独立国のままで、個人の財産が奪われたりはしません。そして、議員は選挙で国民に直接選ばれた人でなければなりません。だから、中国政府が勝手に選んだ200人を送って来ても、それは受け入れられません。その原型が欧州議会です。そして、諮問会議の世界議会がうまく機能すれば、立法権を持った真の世界議会へと発展するわけです。
 「民主主義とは一体どういうことをいうのでしょうか、」と書かれていましたが、私は民主主義とはすべての人が満足するためのシステムというより、妥協するためのシステムであると思います。ある議会で議員数が100人として、ある法案に51人が賛成で49人が反対だと、その法案は通過します。49人の反対の人は妥協したわけです。もしそれがいやなら戦争しかありません。もし、49人の反対の人が本当にいやなら戦争が起こります。しかし、実際に戦争が起こらずに一応平和にやっているのが民主主義の国です。人口に応じた世界議会は、このような妥協の機能を持っていると思います。
 もちろん、世界議会は完全ではありません。必要なことは完全な体制を作ることではなく、改善することです。徳川幕府から明治政府になったのは改善であったと言えますが、完全になったとは言えません。また、戦前の天皇制から戦後の主権在民になったのは改善と言えますが、完全になったとは言えません。これと同じように、人口に応じた諮問会議である初期の世界議会ができれば、完全になったとは言えませんが改善されたとは言えると思います。なぜなら、現在の国連は各国の政府が勝手に選んだ人を代表者に送っているのであって、国民に直接選ばれた人を送っているのではないからです。
 10月9−10日に高松市で日本大会と青年の集いがありまして、青年の集いでパネリストとして話をしたときに、配ったレジメがありますので同封します。レジメには、私の論文、送った論文への返信のリスト(個人の返信はのぞいて組織だけ)、返信の例が含まれています。お暇なときに目を通して下さい。
 それから、許可を得ずに失礼かと思いましたが、上本さんの手紙を私のホームページで公開させてもらいました。もし、非公開をお望みでしたら連絡を下さればそのように変更します。
 これから、世界がどのように動き世界政府運動がどうなるか、まさに歴史の流れですね。

早々

 1997年11月14日

鈴木俊雄
〒270 千葉県松戸市中金杉1-158
TEL 047-343-8822
e-メール toshio-suzuki!ma3.justnet.ne.jp
ホームページ http://www3.justnet.ne.jp/~toshio-suzuki/j-index.htm